WEB小説美術館・まほろば

WEB小説の紹介用。全てファンアートを贈った作品のみの展示になります。

WEB小説紹介№049「暗闇の世界」「春夏秋冬恋物語」聖願心理さん

      暗闇の世界

作者:聖願心理

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あらすじ引用

冬の寒い朝の教室。
毎朝その環境で1人、勉強するのが日課の五十嵐悠真。
そんな冷たい教室に、不登校の少女・小鳥遊月花がやってくる。

 

      僕のことを

 「つまらない」と彼女は笑った。

kakuyomu.jp

 

短編ですが、読み応えのある作品です。

自分の道を自分で選んだ物語。表紙画像のイメージするにあたって「あ、ここもいいな」「ここのシーンを使って見ても」など想像を掻き立てられた作品です(*’∀’人)

 

創作者は読んでみよう:☆☆☆☆

文章で構築された世界の美しさ:☆☆☆☆ 

白と黒のコントラスト:☆☆☆☆

 

本文引用

まだ薄暗い

 僕は校門が開くと同時に、学校の敷地に足を踏み入れる。

 そんなに早く登校して、何をしているのかというと、それは勿論、勉強だ。放課後は部活があり、帰宅するとすぐに疲れて寝てしまうので、こうして朝早く来て、誰もいない静かな教室で、勉強をしているのだ。

 

 予習、復習、課題。

 やるべきことはたくさんあり、終わりが見えない。あてのない船旅をしている気分で、時々溺れたように息が苦しくなる。

 

 数学のベクトルの問題がわからなくて、手が止まる。はあ、と息を吐き出すの同時に、この苦しくてもやっとしたものが一緒に出て行かないかな、と願うが、そんな都合のいいことは起こらない。もやもやした気持ちの悪い何かが、僕を支配する。

 

 はあ、とも一度息を吐き出す。冬なので、息が白い。もう1月だ。どうりて手がかじかむわけだ、と当たり前のことを今更ながら実感する。ふるふるとシャーペンを持つ手が震えている。

 もう少しすれば暖房もつくのだろうが、こんな早い時間から学校に来ているのは、少数派だ。そんな少数派のために、早い時間から暖房をつけるなんて、そんな馬鹿なことはしないだろう。

 

 そうして、僕は寒さを誤魔化すように数学の教科書と向き合う。意味のわからない記号やアルファベットが、這うように襲ってくる。

 

「外よりはマシだけど、寒いなぁ」

 

 そんなことを呟きながら、1人の少女が教室の扉を開けた。そして、僕の方を妖を見ているかのような瞳で見て、呆然と立ち尽くしている。

 

 整えないまま乱雑に伸ばした腰まである真っ黒な髪。制服は新品のように傷一つなく、彼女に馴染んでいない。肌は綿のように真っ白で、体調が悪そうに見える。手足も細く、痩せているので余計にだ。

 

 そんな少女を僕は知っていた。

 

「誰もいないと思っていたのに」

 

 彼女はしくじった、と言わんばかりにそう小声で漏らし、頭をかく。当然ながら、闇のように暗い髪は、余計くしゃくしゃになる。

 

 

 

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せっかくなので新調してみました٩(ˊᗜˋ*)و

yashirotougen.hatenablog.com

↑バレンタインサプライズ企画の記事にも紹介しているので、よければ見に行ってみてくださいませ♩.◦(pq*´꒳`*)♥♥*

 

さてさて、表紙画像にはならなかったのですが、せっかくなので載せてみました。

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全て途中まで作ったものです(*'▽')!

作品でどのへんをイメージたのか是非読んでみてください(pq*´꒳`*)♥♥*

kakuyomu.jp

 

『短編』

     春夏秋冬恋物語

 

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あらすじ引用

春と夏と秋と冬。
季節を巡る、少し切ない恋物語の詰め合わせです。

 会えないはエモい。

kakuyomu.jp

 

会えないは寂しい。

いろんな会えない環境の想い人たち。

 

漕がれる想い:☆☆☆☆

会いたくなるなる:☆☆☆☆

季節ものはいい:☆☆☆☆

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