WEB小説美術館・まほろば

WEB小説の紹介用。全てファンアートを贈った作品のみの展示になります。

WEB小説紹介 №011 「薄明」 仙崎愁さん

薄明

作者 仙崎愁さん

堕落と再生。人間と景色。大切な人との日々が、この世界を色付けていく。

 

kakuyomu.jp

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表紙画像を新調しました✨( *´艸`)

 

あらすじ

自堕落を抜けだしたい大学生祐(ユウ)は、かつての女颯紀(サキ)にセフレとして縛られている。
そんななか、病院にいた高貴でそりの合わない女、渚月(ナツキ)と出会う。
自堕落を抜け出そうと躍起になる彼だが、彼の慕う祖父の死により、さらなる泥へと沈んでいく。


ひとつの話、ほぼ5000字以下となってます。多い話は分割しています。
注:この作品に登場する一切の団体、人物は実在いたしません。
性描写ありとしていますが、直接的な表現は美しくないのでなるべく避けました。そういうストレスはほとんどなく読めると思われます。

 

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本文一話を引用させていただきました( *´艸`)

さくっと読めます。

1章 夕焼け

1話 wandering

 

 街角のポスターを見て、僕ははじめて涙を流した。まったく忘れてしまっていた記憶が、押しよせる波のように蘇ってくる。ついに、ゆうはここまで来たのだ。

 

 次の小説の打ちあわせをしていたが、予想以上にはやく終わってしまい、僕は持てあましていた。ふらふらと当てもなく、積み重なった木の葉を踏みしめながら歩いていた。

 

 僕はふらりと上野公園に流れた。かつて絵を描いていたとき、よく来たからだろうか。ここへ来れば、むかしのようになにか得られるかもしれない。なにも持っていないいまの僕は、そういう刺激を求めていたのだろう。

 

 家族づれが手をつないで幸せそうに歩いている。ため息をつき、横目に見ながら、都立美術館へ向かおうとした。なんの展覧会が開かれているのか知らないが、なにかしら興味深いもの、得がたいものがあるはずだ。

 

 そこであのポスターを見つけたのだ。これは祐が、神奈川の佐島さじまで撮った写真だ。月が海に引く光の道、空には彩雲さいうんが浮いている。

 

 ポスターに張りついた。場所はここからそう遠くない。急いで駅に戻り、電車に飛びこんだ。

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目次

  1. 1章 夕焼け
  2. 2章 夜
  3. 3章 深夜
  4. 4章 朝焼け

 

小説家なろうにも掲載しているそうです・.。*・.。*(〃´∀`)・.。*・.。*ポワワァン…

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