WEB小説紹介№044 「晴天好日」入鹿なつさん
晴天好日
夏休みに少年が遭遇した、
ちょっと不思議な物語。
ほのぼの現代版「天の岩屋戸伝説」
あらすじ引用
8月になったにも関わらず、太陽が出ず気温が上がらない日が長く続いていた。
お盆休みに祖父母の家に来た晴太は、近くの神社でカリンとシロという奇妙な男女に出会う。
どうやら彼らは、長い間空が晴れない事について何か知っているようだが……。夏休みに少年が遭遇した、ちょっと不思議な物語。
本編引用
しかくして、
高天原たかあまはら皆暗く、
葦原中国あしはらのなかつくに悉ことごとく闇くらし。
此これに因よりて常夜とこよ往ゆきき。
――『古事記』より
◆ ◆ ◆
食べ終わったアイスキャンディーの棒を名残惜しく口にくわえたまま、ぼくは縁側にペタリと座りこんだ。正面には長く畝うねが連なる畑が見渡せて、そこをじいちゃんの禿げ頭が行ったり来たりしているのが見える。冴さえない灰色の空の下、いまいち成長し切っていない野菜たちは、なんとなく色がくすんでいるようだった。
もう八月も半ばだというのに、風は半袖を着た肌に心なしかひんやり感じられた。常ならやかましく鳴き立てるアブラゼミも、どこかローテンションだ。
退屈さに伸びをして、そのまま縁側にごろんと寝転がった。くわえているアイスキャンディーの棒はもう甘味も消えて、木の味ばかりになっている。視界に入った軒先では、あまり用をなしていない風鈴が寂しげにちりちりと鳴っていた。
小学校六年のお盆休みに、例のごとく親の実家に連れてこられたわけだが、やはり例のごとくなにもないど田舎で退屈な日々を送っているというわけだ。「これ晴太せいた、そげなもんくわえたまま寝とったら、まつがって飲み込んでおっちんじまうぞ」
間延びしたなまり言葉が降ってきて、ぼくは億劫おっくうに思いながらよっこらせと上体を起こした。注意をした本人はといえば、首にかけた手ぬぐいで広い額の汗を拭って、ぼくのかたわらに腰を下ろした。
「いかんなぁ」
ズボンのポケットから煙草を取り出しながらつぶやいたじいちゃんに、ぼくは首をかしげた。
「じいちゃん、どうかしたの」
「それがなぁ、なかなかお天道さまが出てくんねぇもんで、野菜がちいっとも育たねえんだ」
+
障子をいい感じにカットします(/・ω・)/
そしていい感じの夕日と稲穂を合成します。
後はなんやかんやあって、出来上がります←雑
↑完成品
英文はあらすじから引用(/・ω・)/
傘と雲はアクセントに。
夏らしさも考えたのですが、夏の夕暮れにしてみました♩.◦(pq*´꒳`*)♥♥*
日本神話好きならぜひ:☆☆☆☆
夏休みに読もう:☆☆☆
天の岩戸伝説っていいよね:☆☆☆☆
こちらはデッサン風です✧٩(ˊωˋ*)و✧
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