WEB小説紹介№042 「その英雄、機械仕掛けにつき」 24さん
その英雄、機械仕掛けにつき
12万字程度で第一部完結済みだそうです(/・ω・)/
あらすじ引用
機械と人間が争う近未来。襲いかかる機械から、人を守る警備隊員になったリスティに危機が迫る。 気を失ったリスティを助けたのは、不思議な服装をした少女だった。国に帰るため、彼女と旅を始めるリスティだったが、機械と戦ううちに少女の正体を目撃してしまう。 その正体は機械仕掛けの巨人のコアであり、少女自身も人間ではなかった。ただし少女は機械でありながらも、人間を守るために旅をしており……
本編を引用
子供の頃はヒーローを夢見てた。ヒーローならば、周りの者を全て守れると思ったから。ヒーローになれば、自分で解決できると思ったから。
長女に産まれたリスティールが、弟たちを守りたいなどと、子供ながらに思っていたことが原因なのだろう。まさかそのままヒーローになることはなかったが、国境警備隊の隊員になることへ迷いはなかった。過去に夢想していたようなヒーローではないけれど、誰かを守れる仕事になりたいと。
しかし初めて目にしたヒーローといえる存在は、鉄で出来た醜い《機械》だった。
「が、ぁ、うぁ……」――ヒーロー、だなどと、もう口が裂けても言えないけれど。自らの原点を走馬灯のように感じながら、リスティールは意識を取り戻した。全身が今にも崩れてしまいそうな痛みに襲われつつ、めまいをはねのけながら、とにかく自分が今どうなっているかを把握する。冷たい、鉄の床に投げ出されているようだが、誰かが介抱してくれたのだろうか。なら、介抱してくれたのは誰だろうか。
「まだ生きてる?」
「どう、にか」
女の声。まだ少女らしいリスティールと違った大人びた女性の声が、ゆっくりと脳内に染み渡っていく。頭を抑えながらなんとか起き上がると、隣に声からしたイメージ通りの女性が立っていることに気づく。ただ絹のように白い肌が露出しているのは顔だけで、身体全体は黒くぴっちりとした服で覆われていたけれど。
「わたしは、リスティー、ル。こ、こは……?」
「話は後。逃げるよ!」
そうして辺りを見渡してみれば、廃墟と化した工場のようで。もう数十年、数百年と稼働していないであろう錆びた鉄屑と、荒れ果てた壁や穴の空いた天井――に、へばりついた四足の《機械》。それらと視線があった瞬間に、リスティールは今までのことを全て思い出す。
巡回警備中、人類の敵である《機械》――金属製の生命体の総称――に敗れ、この廃工場に連れられてきたのだと。
Twitter宣伝に調整しました♩.◦(pq*´꒳`*)♥♥*
退廃的な世界と喋る機械。
表紙画像は車を入れたかったのですが、雰囲気に合うのがなかったので、
ハンドルと美女を組み合わせてみました。
退廃的な雰囲気として背景は夕暮れとペンキのざらざら間に雪交じりを加えています。
英文はあらすじから引用( *´艸`)✨