WEB小説美術館・まほろば

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WEB小説紹介 №07 「爆弾拾いがついた嘘」「出航、前夜」「潮」「解像度、上げるべからず」 生津直さん

人(完結済)爆弾拾いがついた嘘

著者:生津直

www.alphapolis.co.jp

人類の罪を償う? こいつ、何者だ?

 

  あらすじ

 民族間の内戦から四十余年を経た、ある島国。今も地中には不発弾が多数眠っている。人々の安全のためにこれらを処理するのが民間の不発弾処理業者。冴島一希は、女性として初めてその危険な世界に挑む。  

ついに念願叶い、ナンバーワン処理士、新藤建一郎の下で住み込み修業を開始。新藤は厳しいながらも親身な指導で一希の成長を支え、彼女が長年抱え続けた性別コンプレックスや血筋への偏見についても気付きを与えた。  

そんな師匠に対する一希の憧れは、いつしか仄かなときめきへと変化。互いの個人的な感情に触れ合い、取り巻く人々の温かさにも支えられ、二人の距離は縮まったかに思われた。しかし、新藤は一希の恋心を受け入れず、町を離れる。

 二年あまりが過ぎ、立派に処理士となった一希は、ある困難な任務に挑む。命がけの現場での思いがけぬ再会。重傷で意識が遠のく中、一希は新藤の真意と出自の秘密に気付いてしまった……。

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完結済み現代ドラマ ・不発弾処理 ・女子学生の奮闘 ・劣等感 ・マイノリティ ・師匠への恋心 ・取り巻く人々の温かさ ・師匠の重大な秘密 ・伏線 ・読後爽快

 

第1章 弟子入り

1  対面

1  対面

 広々とした敷地を囲む道を、何周しただろう。靴底を通して伝わる土の感触が心地よくて、冴島一希さえじま かずきは走り終えるタイミングをいっしていた。

 ザッ、ザッ、ザッ、という規則的な足音に混じって聞こえるのは、虫の羽音に鳥の声。今がさかりと生い茂る木々をそよ風が揺らし、青い香りを運ぶ。

 待ち時間をつぶすのにジョギングを選んだのは、決してダイエットのためではない。同年代の女子の中ではやや太めに見えるが、それは骨格や筋肉のせいだと母から言い聞かされて育った。実際、「ぽっちゃり」よりは「がっしり」という形容の方が近いと自分でも思う。

 如何いかんせん女の子らしさに欠けるこの体型を気にしていないわけでもないが、ほっそりした体になることはとうにあきらめている。この世に生まれ落ちて以来、体重が少しでも減った経験といえば、ひどい風邪で一週間寝込んだ時ぐらいだ。このところ運動に力を入れているのは、むしろ体力作りのため。

 上下ジャージ姿に、足元はだいぶ傷んだスニーカー。手入れを怠って伸びきった髪は、黒いゴムで後ろ一本にたばねただけ。この格好で今日も技術訓練校の授業を受けた。

 クラスで、いや、不発弾処理補助士養成科で、一希が紅一点であることは疑いようもないが、だからといって男子からちやほやされるがらでないのは一希自身が一番よくわかっている。今は特に、なりふり構っていられないからなおさらだ。

 今日は放課後にバスを一本乗り換え、隣町のはずれで下車した。停留所から坂を上がった丘の上に、不発弾処理士、新藤しんどう建一郎けんいちろうの自宅はある。外見よりも機能性にこだわったらしき、殺風景なコンクリート造りの平屋。

(家っていうより、工場とか倉庫みたい……

 その印象は、周囲を延々と走るうちにますます強くなる。

 それはさておき、国内トップの実力を誇る処理士に、果たして話を聞いてもらえるだろうか。訓練学生ごときが、しかもこの業界では前例のない女子生徒が、相手にされるだろうか。それこそが問題だ。電話だと適当にあしらわれてそれっきりになりそうで、こうして足を運んだのだった。

 住所は近所の電話ボックスに備えられた電話帳ですぐに調べがついた。一希はこの三日間毎日、学校が引けてから新藤宅を訪れ、時間の許す限り待ち伏せている。未だ対面は果たせていないが、今日はアルバイトが休みだから、夜まででも粘る覚悟だ。

(よし、もう一周したら休憩)

 スパートをかけ始めた時、車の低いうなりが聞こえた。

(あっ、もしかして……

 慌てて足を止め、耳を澄ませる。バスではなさそうだ。エンジン音が徐々に近付く。

(あ、上がってくる……ってことは、間違いない、よね?)

 一希は咄嗟とっさに、手近な木の陰に身を隠した。わざわざ会いに来たのだから隠れる必要などないはずだが、いざとなってみると、万端だったはずの心の準備が一割ほど後退する。

 間もなく、音の正体が姿を現した。本来は水色なのであろう軽トラックだが、土埃つちぼこりをしこたま被って無残な外観だ。西日を背にして車内は見えないが、荷台にはいかにもと言わんばかりの機材や工具箱が所狭しと積まれている。

 

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Twitterのセリフを抜粋✨

「縁起なんか気にしてたら、この仕事はとても務まらんぞ(中略)お守りだのまじないだの、縁起を担ぐような真似はやめとけ。一度でも欠かせばそれに引きずられて集中力を乱される。マイナスにしかならん」 〜89 家庭〜

 

 

「夜道で一人自転車なんか転がしてたら誘拐され放題だぞ。未成年の同居人を誘拐される身にもなってくれ。下手したら容疑者にされちまう。大迷惑だ」 〜38 優先順位〜



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リンク先はこちら(/・ω・)/

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kakuyomu.jp

 

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完結した作品ですo(≧∇≦o)(o≧∇≦)o

画像を追加しました

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※フォントなどを調整しました(*'▽')

 

PV動画も追加しました。


web小説PV 爆弾拾いがついた嘘

 

 

 

 

      出航、前夜

あらすじ

会社の忘年会で少々飲みすぎた私、秀野由実は、上司の和気さんとホテルで一夜を明かした。うん、明かしたことは明かした。……あれ? 
恋愛はそれなりに重ねてきた私だが、この幕開けは「???」だらけで戸惑うばかり。しかし和気さんには、ネガティブ思考を自認する私の特殊なツボにドンピシャはまる、ある稀有な魅力が備わっていて……。

 

そこはかとない不満と不安を抱えた二十代半ばの独身女性と、その心を惑わすあれやこれ。彼女のリアルに寄り添い、その心の揺れ動きをぜひ見届けてください! きっとあなたもクスリと笑えてホロリと泣ける、上質なエンタメ中編。作者が代表作と自負する入魂の一作です。

 

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気になる方は是非読んでみよう(/・ω・)/

 

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 こちらはTwitter用サイズの表紙画像(*’∀’人)

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       潮

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  ラストをどう解釈するかに、

   読者様の性格が出ます

 

 

あらすじを引用

夜の海中を漂いながら、物思う男。

 

とある男の物語。

気配とは、つまるところ空気の揺れである。間を埋めるものが水にわるだけで、周囲の生物の息吹が薄まることを俺は知った。以来、病みつきになった。

 見下ろす先は、闇。

 果てしなくしか感じられない底に、焦点は定まらない。遠近感、いや、視覚自体が意味を失う。おのれの呼吸が生み出す泡音をほぼ唯一のBGMに、時間だけが淡々と流れる。

 思うに、完全な闇と無音というものが仮に手に入ったとして、それはきっと思いのほかものではなかろうか。静かすぎて却って己の聴覚にわずらわされる、あるいは暗すぎるがために暗中に見えるものを探してしまう、といった経験が、俺には何度かあった。

 夜光虫が少ない時期の、夜の海中。その解にたどり着いた時は、思わずほくそ笑んだ。

続きは本編で(/・ω・)/

3000文字未満なのでサクッと読めちゃう。

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作った時に(/・ω・)/今年作成の中で5本の指に入る出来栄え✨でした。

before

作った瞬間に思ったよ。

「お前誰やねん」って(º﹃º )

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      でも片手ではなく両手を使いたかったので、色々試した結果。

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海の色合いも完璧な仕上がりになりました(/・ω・)/

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 解像度、上げるべからず

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 エッセイ風 #短編小説
5600字

#磨け感情解像度 応募作品

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note.com

 

 

「おかえり」というお題で書いた #140字小説

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#140字SS #140文字小説 #twnovel #ツイノベ

 

 

ペアリング

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note.com

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