WEB小説美術館・まほろば

WEB小説の紹介用。全てファンアートを贈った作品のみの展示になります。

WEB小説紹介 №009 「妖しい、僕のまち」 詩月七夜さん

妖しい、僕のまち

“妖怪”…「特別住民」たちのために人間の役場職員が大奮闘!

作者:詩月七夜

http://ncode.syosetu.com/n4465cr/

 

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あらすじ

僕は十乃 巡(とおの めぐる)。
 降神町(おりがみちょう)役場に勤める公務員だ。
 ここ降神町は、普通の町とは違う、ちょっと不思議なところがある。

 猫又、朧車、野鉄砲、鬼女…日本古来の妖怪が、人間と同じ姿で市民として普通に暮らす、普通じゃない町。

 このお話は、そんなちょっと不思議な降神町で起こる、僕と妖怪たちの物語。

小説家になろう〕〔カクヨム〕〔セルバンデス〕にて公開中

 

 

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序章 夜明け前

本編の一部を引用

【零番地】『どうしたら、妖怪に会えるの…?』

夜の森は、深海に似ている。

 暗く、静かで、誰もいない。

 それは、きっと。

 まだ、知りもしない“あの世”の光景に近い気がした。

 

 サク、サク、と足元の葉や枝が音を立てる。

 僕はどこに行こうとしてるのだろう。

 どれだけ歩いて来たのだろう。

 じいちゃんから聞いた「山には妖怪がたくさん住んでいる」という言葉にときめき、居ても立ってもいられなくなった四つの僕は、ワクワクしながら一人、山に向かった。

 

 どこからか、小豆を研ぐ音はしないだろうか。

 不意に木が倒れる音はしないだろうか。

 突然、前に壁が立ち塞がり、進めなくなったりはしないだろうか。

 木々という木々。静かな池。とても古びた祠。

 全部探した。全部確かめた。

 

 でも、妖怪はいなかった。

 

 それでも、一目、妖怪に会いたい一心で、暮れていく太陽にも目を向けなかった。

 その結果、僕はあっさりと迷子になったのだ。

 

 いま思えば。

 何故、そこまで妖怪に執着していたのか…全く分からなかった。

 

 このまま死ぬんだろうか、と幼い僕は暗闇の中で考えた。

 祖父母と父や母は、きっと悲しむだろう。

 保育園で仲の良い友達や先生も、泣くに違いない。

 死んだらどうなるんだろう?

 確か、ばあちゃんは「人は死んだら、極楽か地獄に行く」と言っていた。

 僕はどちらに行くのだろう?

 もしかして、いま僕は死んでいて、そのどちらかに向かっているのだろうか。

 極楽は良いことをした人間が行くと、ばあちゃんは言っていた。

 僕は良いことをしたのか…でも、心当たりはない。

 では、悪いことをしたのか…こちらは心当たりがある。

 母の言いつけを守らず、父に怒られたことがある。

 わがままを言って、ばあちゃんを困らせたこともある。

 欲しいおもちゃを間違って買ってきたじいちゃんをなじったこともあった。

 他にもたくさんある。

 保育園の友達や先生にも、たくさん迷惑をかけた気がする。

 

 …ふと、涙が出た。

 

いまの孤独感。近付きつつある自分の死。その後に忘れられていく無念さ。

 それよりも。 

 死んだら、僕はみんなに謝れない。

 とにかく、それが悲しくて出た涙だった。

 

 それでも何故か足は動いた。

 視界は涙で曇り、足元は険しさを増す。

 

 そして、そこでに逢った。

 

“いい夜じゃな”

 

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※表紙画像を新調しました(二種類/差分)

章ごとに様々な妖怪がおりますのでご紹介を

序章 夜明け前
第一章 降神町の午後 ~猫又~
第二章 “スネークバイト” ~片輪車~
第三章 森の姫 ~彭侯~
第四章 逢魔が刻に宴は続く 『降神町 夏の陣』

    ~一反木綿・赤頭・針女~
第五章 system『Sieben Geists』 ~七人ミサキ~
第六章 ともに手をとりて

    ~磯撫で・牛鬼・影鰐ときどき精螻蛄、そして“戦斎女”~
第七章 その微笑みは白き花のように 

    ~天逆毎・三尺坊・木葉天狗・反魂香~
第八章 暁に風哭きて、君独り去り行きし 

    ~砂かけ婆・機尋・紙舞、遠く鎌鼬
第九章 六月の花嫁達に祝福の鐘の音を ~目目連・舞首~
第十章 人と妖怪と

 

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妖怪がたくさん出てきますので☆^(o≧∀≦)oニパッ

妖怪好きは読んでみよう。

 

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妖しい、僕のまち

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web小説PV 妖しい、僕のまち

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