WEB小説紹介№04「アヤカシ町雨月神社」「ウミガメのスープを名探偵に」藤宮舞美さん
アヤカシ町雨月神社
少し不思議で癒やされる雅な物語
あらすじ
大学に通うため田舎に引越してきた普通の大学生、霧立八雲。
彼はその田舎で『雨月神社』に参拝する。
しかしその『雨月神社』は八雲が住んでいる浮世(この世)ではなかった。
『雨月神社』は悩みを抱えたアヤカシ、妖怪、神様などが参拝に来る処だった。
『雨月神社』で八雲は、
物腰の柔らかく優しい謎の陰陽師、香果と、
香果が大好きな自由な猫又、藤華に出会う。
ひょんなことから八雲は『雨月神社』に住むことになり…
雅な陰陽師に誘われ、様々な悩みを解決する。
ほっこりして癒やされる、疲れた心に良く効く、風流な短編物語。
前に読んだ時よりも読みやすくて、情景が浮かびやすくなってます(*ノωノ)
アヤカシの話だと陰湿な事件や、怪異関係が多いのでそれとは違ったハートフルヒューマンドラマのようにほっこりしているのが好きです。
プロローグ抜粋
人里離れた場所に社があった。
そこには一人も参拝者は居ない。
何故なら、人間はこの神社を畏れていた。
その為好き好んで参拝に来る人などはそう多くはない。
また、普通の参拝者ならここまでは迷い込まない。
広い境内には独りの男が居た。
男は若く、肌には張りがある。
皺やたるみのない高雅な顔立ちだ。
シミや日焼けは無く、病床に伏しているのかと思われる程肌が白い。
それに対して唇は紅く血色がよい。
それが余計に肌の白さを艶めかしく引き立てている。
だが、その男には若者特有の青臭さや活気と云ったものがない。
優しく落ち着いた凛々しい面影は『老人』と云った方がぴったりである。 何処が懐かしく、酸も甘いも噛み分け世のを知っている。そんな男だ。
男は独り大きな御神木の下で本を読んでいた。
そこに小鳥達が歌を奏でにやってきた。
御神木に止まると愛らしい歌を歌っていた。
彼はそれを見ると優しく慈悲深く微笑む。
草木は彼等の歌に合わせて手拍子を始める。
花は可憐に踊り始める。
男はそれを暫く見守ると、裾から龍笛を取り出した。
そして、ゆっくりと麗しい笛の音を醸し出す。
小鳥達は男の演奏を盛り上げる様に歌う。
草木は韻律を取り、花はそれに合わせて愛しく踊る。
風はそれら総てを盛り上げる様に優しく吹く。
優美で美しく、優しく、哀しく、柔和な演奏と花の喜び満ち、それでいて愁いている不思議な踊りが1つとなっていた。
幻想的であり、神秘的でもあり、懐かしくも寂しくもあり、厳かで切なくも言い知れぬ程耽美で寂莫な演奏が境内を包み込む。
そこに一人の浮世の参拝者が恐る恐る境内に入って来た。
彼は酷く怯えた表情である。
男はそれに気付くと演奏を辞めた。
すると美声を奏でた小鳥達も可憐な花の踊り子も、盛り上げ上手な風も、韻律を取っていた草木も石の様に動かなくなった。
先程までの演奏は夢だったのかと思われる程であった。
男は安心させる様に微笑むと 「おや、参拝者かな」
と独り言を呟き、彼を手招きした。
物腰の柔らかく美しい陰陽師
ヘタレだけど優しい主人公
憎めない黒猫(化け猫)
悩みの多い神様
可愛いくて愉快な妖怪達 がでてくる短編で面白い作品!
少し不思議で癒やされる雅な物語
セルバンテスでも掲載中✨
追加、表紙画像を作成しました(*´ω`)
PV動画追加しました╭( ・ㅂ・)و̑ グッ✨
ウミガメのスープを名探偵に
乱歩×ホームズの生みの親、
ドイル×夢野久作の名探偵達が
謎解きゲーム?!
日本のミステリーの父、江戸川乱歩。
精神破壊で有名な『ドグラ・マグラ』の作者、夢野久作。
名探偵シャーロック・ホームズの生みの生みの親、コナン・ドイル。探偵経験のある名探偵作家が、夢野が丹精込めて煮込んだウミガメのスープを味わい尽くす!
ゲームのルールや三人の作家を全く知らなくても楽しめる!日常的で非日常な天国謎解きライフ、ここに開演!